先日、”種をまく人” を読んでみました

種をまく人

著者はポール・フライシュマンさん。原題が”Seedfolks”。
“かわさき 子供読本100選の本”のうちの1冊で、とても読みやすい本でした。

物語は、アメリカのクリーヴランドの貧しい人たちが住む一角の荒れ果てた空き地に、一人の移民の女の子が豆を植えるところから始まります。

移民の国、アメリカに共生する人々

移民の国アメリカらしく、色んな人たちが登場してきます。
それぞれが、自分の置かれてる状況を語り、そしてその空き地とどうつながったのかを語りだします。

年齢も人種も家庭環境も違う多種多様な人々が、それぞれ抱えてる悩みや問題は違うけれど、そして動機も違っていたりするけれど、もともと空き地であった”畑”に引き寄せられ、いろんな種類の豆をまきはじめます。集うにつれて自分がどう変わっていったのかを語りながら話は進んでいくのですが、それはまるで、人種のるつぼアメリカに住まう多種多様な人々が、泥に咲く蓮のように、自分の置かれている場所を受け入れ、自分の可能性を育てるがごとく種子をまく姿に重なるんです。

インドからの移民、アミールの話

色んな人の語りにひきつけられる中、店長はインド人のアミールの話がすごく心に残りました。彼はナスビ、玉ねぎ、にんじん、カリフラワーを植えるのですが、特にナスビはナスビの持つ色ものがその空き地というか畑ではめずらしい色の作物だったこともあり、ナスビを中心に大勢の人がアミールの作物をみにきたり、声を掛け合うこともなかった人びとと会話が始まったりするんです。

移民にとっての新天地アメリカは、友達以外の人とは交流をもたない『冷たいアメリカ』として印象づけられていた中で、畑を中心とした新しい温かい人と人との結びつきが始まるのです。アミールに限らずすべての人に言えるのが、その結びつきのきっかけとなるのが、ナスビをはじめとした、畑で一人一人が大切に育て収穫する野菜たちであって、野菜を育てることを通じての仲間意識が野菜とともに育っていくのが、とても印象的でした。

昨日まで知らない、声をかけあうことのない人、から、名前をもった1人の人としてわかりあえる大元のきっかけをつくったのが、冒頭に登場しているベトナムからの移民の女の子キム。彼女の小さな勇気は、深い悲しみがベースになっていました。

そんな悲しみを彼女はライ豆と一緒に土に埋めます。ライ豆が大きく育つことへの願い込めて、豆と悲しみを植えるのです。それはまるで、土に埋めた悲しみが肥料になって、作物を、人々の心を慈しみ育てているように思えて、ほっこり心が温かくなりました。ぜひ一度読んでみてほしい1冊です。

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